全てに頷ける訳ではなくとも、成程と思うところは多かったです。定型発達者の視点を垣間見ることができるのが良い。自分には何が見えておらず、定型発達者には何が見えているのかを知っていく足がかりになりそうな本でした。
各障害への解説のほか、起こりうる具体的なシーンについて、「何が起こっていて・それはどうしてなのか・どうすればよいのか」がまとめられており、大人の発達障害を全体的に知りたいという方にうってつけではないかなという本です。
見やすいイラストが豊富にありつつ、イラストばかりで情報量少ないなーということもなく、バランスの良い本と感じました。
成人のアスペルガーの「仕事あるある」がまとまっています。受動型の人に起こるあれこれが身につまされました。
内容は具体的である一方レベルは高く、成人の当事者の方には実践は難しいことも多いかもしれませんが、定型発達者が何をどう感じ考えているのか分かる点が良いなと思いました。できないことに凹まない心で読んで、拾えるところを生活に取り入れてみてもいいかもしれません。
基礎の基礎として、子供と会話の練習をする際に役立ちそうです。ワークシートがあるのも考えを整理しやすく良いところと感じました。
一方、大人が社会で実際にこの本の通りにしたら、結構相手を怒らせるのではないかと思います。「見て分からないの?」「普通分かるでしょ?」「自分で考えろ」の嵐の予感。就労移行支援経由での就労であれば大丈夫なのかも。
ノウハウの本ではなく、著者の体験を綴った本なのですが、体験記というよりエッセイという方が合っているかもしれません。その分好みが分かれそうですが、私はとても気に入りました。感情の論理武装とか頷きでムチウチになりそうです。最後のお話で泣きました。
私が富豪なら、自費出版するのでもう一冊書いてくださいとお願いしたいところです。
長い歴史の中で、体毛が消えたり海を渡ったり、一族の運営システムを再構築したり、迷信が生まれたり、氷河期に入ったり・・・。知性と好奇心の高い人々なのだなと思います。行動力もある。そんな彼らにも答えの出せなかったことがあります。私も、何ができるわけでなくても考えて行きたいです。
体とは一体何なのかということを改めて考えるきっかけになりそうです。感覚は知覚の投影なのだということを再認識します。
私は、目で見ないと自分の手足がどうなっているのか分からなくなることがあるのですが、そんな私でも私なりの体との付き合い方があるのだろうと思わせてくれる本でした。