ASDとADHDは私の全てじゃないけれど

成人になってからASDとADHDの診断を受けた人のブログです。ストラテラを服用しつつぼちぼちやっています。

手帳の取得はアリかナシか

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私の経緯から考えるに、発達障害の診断を受けて日常にいくらかの困難のある人であれば、手帳の取得は可能なのだろうと思います。後は、医師のスタンス次第の部分もあると思います。

 

『日常にいくらかの困難のある人であれば』ということに関しては、発達障害の診断を受けた以上、いくらかの困難のある方が殆どなのではないかと思います。自発的な受診にせよ人にすすめられての受診にせよ、そもそも困難があったから受診することとなり、診断に至ったのではないかと考えるからです。

 

医師のスタンスに関しては、軽度重度にどう線をひくか・・・・ということも関係あるかもしれませんし、患者の現状をどう捉えるかということも関係あるのだろうと思います。私が以前通っていた病院の医師の基準からすれば、私は『我流でここまでやってきた野生のポケモンみたいな人』という感じだったのかな?と思います。IQも高めと出たし、まだまだ成長の余地あり・・・とすれば、今ここで手帳を取得する必要はない。となるのだろうと思います。

 

一方、現在通っている病院の医師からすれば、薬が必要な程度の障害はあるし、本人の希望もあれば手帳を取得しても良い。という判断をされるのが同一人物の私なわけです。以前の病院での判断とは大分違う判断になっていると思います。

 

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私は、どちらの判断も間違っていないのだろうと思います。私が野生のポケモン状態であることも本当ですし、IQが高めであることも本当です。同時に、我流ながらも努力を重ねても上手くいかず、薬を服用することで色々変化があり労力を減らすことができたのも本当です。どちらも私の現状です。

 

後は、患者側の意思一つなのかな?と思います。もしも、薬を使わず頑張って、就労も一般就労を目指したい!という人であれば、以前の病院はぴったりなのだと思います。症状が分かりやすく重ければ、そこでも『服薬しながら努力する』というハイブリッドな方法があったのかもしれません。

 

現在通っている病院もある意味『服薬しながら努力する』ではあるのですが、努力の方法としては『理屈で覚えてカバーしていく』「手持ちの札で対処していく」という性質が強いのが特徴です。こちらの方が性に合うという方もいらっしゃるだろうと思います。服薬せずに頑張って一般就労を目指したい!という人には、「何か違うな?」「簡単に患者を障害者にしようとしているのでは?」という思いを抱かせるかもしれません。

 

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私は、理屈を使わずに理解するということをどうすれば良いのか理解できず、薬についても服用を希望していたので現在の病院にて手帳を取得することになりましたが、以前通っていた病院のスタンスが良いという方がいらっしゃっても、それは当然だなと思います。どちらが良い病院であるということではないのだろうと考えています。

 

私は、どのみち保険だのローンだのに縁のある生活を送れそうな程の収入を持っていないので、診断も服薬も手帳も、得られる道具なら欲しいという単純な考えで、手段として採用することにしました。

 

結果、まず服薬によって時間や距離に関する感覚が生まれたり、視覚や聴覚などの感覚過敏が忘れ物が減ったりしました。先日取得した手帳については、市バスが無料になったり税の減免があったりする他、様々な施設利用費が無料になったり半額になったりするなどのメリットがあり、私にとっては充分な効果であるなと思います。

  

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その一方で、私にとって服薬のメリットはそこそこ大きく日常的に影響があるのに比べて、手帳のメリットについては3級なので「そのくらい?」と言われれば「そのくらいですね」と言えてしまうところもあります。1、2級のような大きなメリットはなく、「あ、こんなところで割引があるんだ、支給があるんだ。」という程度のものと言ってしまえばその程度のものであり、保険やローンと引換にするには・・・・という考えもあるだろうと思います。

 

就労移行支援などの利用がスムーズになるなどのメリットは、人によっては大きいかもしれませんが、一般枠で就労しようという方や就労移行支援でのトレーニングを利用する予定のない方には、あまり意義を感じられないところかもしれません。

 

中には、「障害者手帳を取得してしまった・・・・私は障害者なんだ・・・・」という風に気持ちの落ち込みを感じる方もあるかもしれません。私は、20代の頃であればそうなったかもしれないなと思います。10代であれば、よく分からない方向に中二病をこじらせた可能性も感じます。(逆に、周りも自分も見えていない為関心を持たず、「ふーん」で終わらせたかもしれません。)

 

30代の今としては、「まぁ、そうだね。」という感じです。就労や結婚でつまづきまくり、薬の効果を感じ、「一般的な感覚とか認識とか処理などからは、私は大分ズレているんだな。」という自覚が生まれたことから、手帳を取得しようとしまいと「障害があること」を自覚している今だからかもしれないな、と思います。

 

薬の影響は大きいです。薬によって苦もなくできることが増えたことから、『努力をしても上手くいかない』『できない』とはどういうことであるかを理解したように思います。

 

人それぞれの状況やスタンスや納得に合わせて、取得するもしないも選べると良いなと思います。「取得できる=取得しなくてはいけない」ではないですし、もし困難を感じていて手帳の取得を考えているのであれば、仮に取得に至らない程軽度であったとしても、「手帳の取得」以外の困難を和らげる為のアプローチを提案してくれる医師に会えたら良いですね。

 

多くの人が、今より快適な状態にあれること、困難が和らぐことを願います。