ASDとADHDは私の全てじゃないけれど

成人になってからASDとADHDの診断を受けた人のブログです。ストラテラを服用しつつぼちぼちやっています。

ストラテラと私とASD(2)

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ストラテラと私とASDで書いたことをまとめつつ、思うことを書いてみようと思います。

 

私のASD(AS)としての要素に対し、ストラテラにより直接的な影響があったと思うところは、主に以下の通りです。

 

・思考の輪郭がクッキリした。

・状況が読みやすくなった。

・視覚情報に立体感が生まれた。

・感覚過敏が軽減された。

 

思考の輪郭がクッキリしたというところは、ADHDとASDのどちらとされる要素なのか不明瞭なところもありますが、ASD特有の思考のややこしさのようなものが幾分か整理されたような感じがあります。

 

状況が読みやすくなったことは大きな変化です。視覚情報に立体感が生まれたこともADHDなのかASDなのか分類としてはハッキリしませんが、そのことによって指さしや視線の解読精度が向上したことはASDの障害特性に与えた大きな変化として見て良いのではないかと思います。

 

また、指さしや視線の解読制度が向上したことと感覚過敏が軽減されたことにより、状況が読みやすくなったようです。これは他者から見て明らかな変化のようなのですが、自覚としては「何となく『上手く行っている時』が連続して起こっているなぁ・・・」という感覚なのが面白いところです。状況を読むのが苦手な私ですが、「分かりやすい状況」であれば、薬が無くともこれまでの経験の蓄積によりいくらかは読み取ることができます。なので、服用後の体感としては『状況理解においての難易度が下がった』という感じかもしれません。

 

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ADHDへの影響により、間接的にASD(AS)にも影響があったと思うところもありました。

 

・ビックリすることが減った。

・パニックになりにくくなった。

・気持ちの切り替えが早くなった。

 

ビックリすることが減りました。単純に、音や光に吃驚することが減りましたし、状況が読みやすくなったことで「えっ!」となることも減っているのではないかと思います。また、それらの変化によるものかと思うのですが、明らかにパニックになりにくくなりました。脳のメモリが不足しきって処理落ちするような感じ(メルトダウン?)も減ったように思います。パニックになったとしても、落ち着くために大きな精神力を必要としない感じです。

 

今までが、

 

・パニックになる→「ああぁどうしようどうしようあぁ落ち着かなきゃ落ち着かなきゃ・・・・駄目だイメージが消えないけどいいやもうイメージだしこれ現実じゃないし無視するこれは無視する・・・・・・今することに集中今することに集中・・・今何をする?1つのことしかできない。だから大丈夫。1つだけ集中。他の事は今じゃなくていい。今は今することに集中・・・・・・。」

 

という感じで頑張って気持ちを落ち着かせて頭を働かせている状態だとして、

服薬後は、

 

・パニックになる→いや落ち着こう。今することは?

 

くらいのシンプルさになっている感じです。ミスや予定変更など想定外の出来事に動揺していても、「それはそれ」として対処していける感じがあります。総じて気持ちの切り替えが早くなった感じです。フラッシュバックが無くなった訳ではないのですが、それをひとまず脇に置いておける感じですね。

 

それと、単純にミスが減ったこと・ミスをしても支障が出る前にリカバリーできることが増えた為に、どこか「ミスをしても大丈夫」という感覚が生まれてきたのではないかと思います。

 

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一方、大きな変化が見えなかったのは以下のところです。

 

・理屈くさく回りくどい思考回路。

・消えないイメージや音やにおい。

・フラッシュバックと、それによる不安感や焦燥感。

 

ASD的な思考回路が変わる訳ではないようです。判断材料をより多く取得することができるようになったりメモリの余裕が増えたりしても、OSそのものが書き換わる訳ではないという感じなのかもしれません。

 

一方、理屈くさく回りくどい思考回路はそのままであったとしても、話し方は「何を言いたいか分かりやすい」「話にまとまりがある」という変化を周囲から指摘されています。本人としては、今までも服薬後も同じように話しているつもりですが、相手の反応が違うことは感じています。また、話が通じやすくなったことにより「一方的な長い発言」も減ったようです。

 

消えないイメージや音やにおいについては、悩まされなくなった訳ではありませんが『少しの精神力で無視できるようになった』という感じです。今までは、それらのことを無視する為には強い意志の力と集中力を必要としていた感じです。邪念を消そうと努めるものの煩悩の多い修行僧のような状態だったと思われます。

 

フラッシュバックとそれによる不安感や焦燥感も、上に同じく『少しの精神力で無視できるようになった』というところです。

 

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以上が、現在感じる「ストラテラと私とASD」の関係です。私の場合はASDの部分に対してもストラテラの影響がそこそこ出ているように思います。直接的な影響はひょっとしたら感覚過敏に対してだけなのかもしれませんが、結果としてASDな私の助けになっているという感じはあります。

 

当記事はストラテラ万能説を唱えるものではありませんし、まして服用を推奨するものではありません。ADHDの診断を受けたとしてもストラテラが有用なのかは個人差が大きいですし、副作用も珍しくない薬です。(珍しくないどころか初期は多かれ少なかれ出ることが多いようですし、服用を継続する中で副作用が軽減しない方もあります。)

 

それでも、医師に「服用してみますか?」と提案された際に、参考にするサンプルが1つでも多いことは助けになる場合もあるかと思い、1つのサンプルとして自分のことを書いてみました。

 

ASの『興味の幅が狭く深い。興味を持ったものの情報や事実を集めるために膨大な時間を費やす。』という性質を満足させるという意味でも、サンプルが多いことは満足に繋がって良いかな?などとしょうもないことを考えながら、投稿ボタンを押すことにします。