ASDとADHDは私の全てじゃないけれど

成人になってからASDとADHDの診断を受けた人のブログです。ストラテラを服用しつつぼちぼちやっています。

コウの成長

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今朝、コウの成長に驚く出来事があった。

コウは基本的に二つのことが同時にできない。その結果、子供によくあるような横着で雑な行動ができず、どこか丁寧過ぎたり幼すぎたりする動き方になっていることが多い。

行儀としては叱られることかもしれないが、例えば、目線をテレビに固定したまま丼を口元へ持っていき米を箸でかっこみ、テレビを見たまま口を動かすという動作。こんないかにも小学生っぽい動きが、昨年までのコウにはできなかった。テレビを見たら止まってしまう。食べていたらテレビは見られない。そんなコウがテレビを見ながらわしわしとご飯を口にかっこみ、テーブルに茶碗を置いてモグモグと口を動かすのを見た時、『わ、小学生みたい!すごい、今ここに小学生がいる!』と驚き、不思議な感動を覚えた。

そんなコウが、今朝すごいことをやってのけた。トーストを載せたトレーを両手に持ってキッチンからダイニングに向かう途中、両手で持っていたトレーを片手に持ち替え、カウンターの上に乗ったコップ(水)を片手で持って席まで運んだのだ。

コウは現在小学校高学年の男の子で、上記の一連の流れが凄いと言われても何が凄いのか今一伝わらないのではないかと思うのでしつこく解説すると、まず3年くらい前までは、そこそこの内容物の入ったコップは危なっかしくて運ばせられなかった。(まず間違いなくこぼすし、それによってコウ自身がパニックになる。)

本人も自覚しているので、コップの水面を見ながら慎重にそろそろと運んでいた。(そして時々周囲の物にぶつかっていた。)2年くらい前には、コップ単品なら上手に運べるようになっていた。去年は、汁物を安心してトレーで運べるようになっていた。(それまでは単品で運ばせていた。)

今朝のような状況であれば、多分一昨年ならトレーを置いてから水を取りに行っただろう。去年ならトレーを一度カウンターに置き、そこにコップを載せてから運んだと思う。

それだって充分凄いことなのだ。それが自然にできるようになるまでは「あ、水、どうしよう・・・トレー・・・えっと・・・」とおろおろするばかりのコウだった。私が「まず先にトレーを置きに行ってから水を取りにおいで」とか「一旦トレーを置いてそこに水を載せたら運べるんじゃない?」とか言って促すことで、初めて出来るようになった。それくらい、コウにとって咄嗟の判断や行動の組立、優先順位を決めることは難しいことなのだ。

しかも、教えたら次からすぐできるようになるわけではなく「えっと・・・どうするんだっけ・・・・?」とマゴマゴしながら頑張って手順をなぞる期間を経て、ようやく習得していくわけで・・・・『ふつうこれくらいできるでしょ』を『できる』にする為に、彼は長い道を黙々と歩いている人なのだ。

(今こうして書いていて思うに、当時は上記の言い方だと「え?置く?どこに?え?」となっていた可能性すらあると思う。)

そんなコウが、『両手で持っていたトレーを片手に持ち替え、カウンターの上に乗ったコップ(水)を片手で持って席まで運んだなんて・・・・!奇跡か!成長すごいな!

 

・・・そんな風に、今朝私は1人で凄い凄いと(表面上平静にしながら)興奮していたのだけれど、あまりに自然なこと過ぎて忘れてしまいそうなので、こうして書きました。そんなコウの(私的には)飛躍的な成長の記録でした。