会話で起きやすい困り事(3)
「どうだった?」という質問にて書いた通り、私は「どうだった?」という、適応範囲が広い感じの漠然とした質問をされると、どう答えていいのか分かりません。
反面、会話で起きやすい困り事(1)で書いたように、YES/NOで答えられる質問をされてしまうと質問の背景などを汲み取れずに言葉通りの狭い解釈をして返答してしまうわけであって、結局広い質問であろうが狭い質問であろうが適切に答えられてないじゃん・・・・?という感じはするのですが、ここでは『言葉通りに受け取って良い状況であっても答えられないやり取り』としての『広い質問』について書いていきたいと思います。
私は、「どうだった?」というタイプの質問に答えられません。正直に答えるのであれば、大きな出来事がない限り「特に変わったことは何もない」になってしまいます。共感の為の言葉が必要とされるシーンなど『相手が想定している答え』が比較的予測できる場合はそれに合わせています。(楽しかった/凄かった/暑かった/大変だった等の言葉で表現される状況等。)
病院での診察の際など、実際には体調不良やトラブル等があったとしても、私の日常において通常起こり得ることの範囲であれば「いつも通りです」となってしまいます。どこからが言うべきことで、どこまでが言う必要のないことなのかよく分かりません。
「〇〇ということはありますか?」と聞かれれば答えられますが、「はい・いいえ」以上の事を答えられない(もしくは絞り込めずに話しすぎる)という壁に当たることは多いです。
既にパターンが決まっていたり、事前に考える時間があるような質問であったりすれば答えられることもありますが、それでもなぜか答えられなくなる時もあります。自分でもどうしてそうなるのかよく分かりません。事前に猫だましをされると分かっていて「目を開いていよう」と頑張ったとしても、いざ目の前で手を叩かれると目が勝手に閉じてしまうのに似た感覚のように思います。
『質問に対して答える』というモードになっている時、ふとした時に『比較的適切なのではないかと思われる答え』よりも『言葉通りに受け取り言葉通りに答える答え』を弾き出す回路がONになってしまうような感じがするのですが、実際のところ私の頭の中で何が起きているのかは分かりません。
脳トレのゲームで「分かっているのに時々ミスをしてしまうこと」に似ているのかもしれません。
『緑・青・赤のように文字と文字色がチグハグになっているものを見て、色について答える』というゲームがあります。大抵の人は予め「文字ではなく文字色について答えるんだぞ」と分かっているにも関わらず、矢継ぎ早な出題に答えている内にミスをしてしまいます。そこで、ゲームを繰り返し行い修練によってそのミスを失くしていくことで脳を鍛えようというゲームです。
そのようなゲームが元々得意な人や、回数をこなして慣れてきた人であればミスは少なくなり、出題のスピードが上がっても付いていくことができます。そんな人であっても、疲れている時や寝不足の時にはミスが続くこともあるでしょう。
自動的に行われる『自然な処理』に逆らい『意識的な処理』を行うことは、大抵の人にとって負荷のかかる行為なのかもしれません。
私の場合「普通それは自然な処理で済むことでしょ!」と思われることが自然に処理できないので特に目立つということであって、その仕組みそのものは別段珍しいものではなく、ごく一般的な反応であり普通のことなのかもしれません。