ASDとADHDは私の全てじゃないけれど

成人になってからASDとADHDの診断を受けた人のブログです。ストラテラを服用しつつぼちぼちやっています。

会話で起きやすい困り事(1)

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私には、『良い会話ではないと気付いているが、上手く対処できていないパターン』というものがあります。会話が終わってから「あ、これ意志の疎通に失敗したパターンなのでは?」と気付くのですが、会話が終わるまでそれに気付けないのが困るところです。

 

以前書いた5W1Hの怪や、Whyでは分からないHowのことなどもそれにあたるだろうと思います。

 

先日も個人懇談で大分意思の疎通のあやしい会話をしてきましたが、その時の意思疎通の難しさも、前述の『大体決まったパターン』の中で起こっているように思います。これからしばらく、それらの「会話で起こりやすい困り事のパターン」について数回に分けて書いていこうと思います。

  

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はい、いいえで答えられる質問に対して、はい、いいえで答えた以上のことを上手く伝えられない。

 

はい、いいえで答えられる質問に対して、はい、いいえで答えた以上のことを上手く伝えられないというパターンは多いです。仮に私が睡眠について診察を受けているとすると、

 

「最近夜は眠れていますか?」と聞かれた時、眠れない日があれば「いいえ」と答えるが、2時間でも眠っていると「はい」と答えてしまい、「じゃぁ大丈夫ですね。」と言われて話が終わってしまう。

という感じの会話のパターンになるということです。「はい」と答えた後で「何時間眠っていますか?」と聞かれれば答えられます。もしくは、最初の質問が「睡眠時間は充分ですか?」であれば、「2時間程度で、充分ではありません。」と答えることができます。

 

ですが、その場では「最近夜は眠れていますか?」の発言の意味を時間を少しかけて何度か吟味してみても、「最近夜は眠れていますか?」以上の意味を見出すことができません。会話が進行していき、意思の疎通ができていないことに気付いた時点で初めて「あ、さっきの先生の発言は『夜は充分に寝ることができていますか?』の意味だったのか!」と理解することができます。

 

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上記の会話例にてお医者さんから「じゃぁ大丈夫ですね」と言われた時、まずありがちなのが「え?・・・大丈夫???うん・・・・・・・大丈夫なのかな?」と、『何か意思の疎通が上手くいってない感』は感じつつも、そのままその場は過ぎてしまうというパターンです。本来処方される筈であった睡眠導入剤が処方されずに困ってしまうだろうと思います。

 

次にありがちなのが、「じゃぁ大丈夫ですね」と言われたことによって、「あっ!睡眠は充分ですか?って意味か!」とすぐに気付くパターンです。気付いたのであればそれを伝える必要が出てくるのですが、すでに『睡眠時間は充分ですか?』の会話は終了してしまっている為、「すみません、寝てはいますが2時間しか眠れていない状況で・・・・。」と伝えることになり、先生の「じゃぁ大丈夫ですね」に反論したり、一度終わった話を蒸し返したりしたようになってしまいます。

 

 

他、ありがちなパターンとしては、上記のような状況を避けるために「眠れてはいますが、2時間ほどで充分ではありません。」と答えたところ、そこまでは聞いていなかった(単に夜眠れているかどうかそのものを訊いただけだった)という状況もよくあることです。睡眠時間どうこうについては後で聞きたいことであって、今は昼夜逆転していないかどうかを聞きたかっただけというパターンですね。

 

これらの会話というものは、私にとっては最早予測不可能な後出しジャンケンのようなものなのですが、一般的には「醤油ある?(ちょうだい)」「醤油ある?(残量はどう?)」と同じくらい判別が付くもののようで、こういう時には改めて人とコミュニケーションをとることの難しさを感じます。

 

 

※今回例にあげた会話のような状況の場合、夫が同席している時であれば私の返答に「でも2時間しか眠れないんだよね。」と言葉を添えてくれるので助かっています。夫によると、「え?寝れてないでしょ?」などの言い方をすると、「え?寝てるのに『はい』じゃないの?何で?」と私が混乱してしまうので、補足するように話しかけると良いそうです。

 

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 仕事や生活の中で、このパターンの会話になってしまって困ることはしばしばあります。一見会話が成り立っており問題ないように見えても、会話でやり取りすべき情報を扱えていないことがあります。

 

保護者の方との世間話でも、結果として嘘をついたようになってしまったり、相手の解釈と私の実情とにズレができたりして会話や関係が気まずいものとなったりします。

 

今のところ、上記のお医者さんとの会話のような状況であれば、2回目以降は気付くことができます。「このお医者さんが『夜は眠れていますか?』と訊いた時は、『夜は充分に寝れていますか?』という意味だ。」と理解して対応できるようになるからです。

 

ですが、世間で行われる会話の多くは、「醤油ある?」のように状況に合わせて複数の意味が発生するものであり、その状況もぴたりと同じものはなく流動的であったりする為、中々経験を次回に生かしきれないのが現状といったところです。

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今のところは、つつがなく雑談を終えることが重要なシーンでは『あれ?さっきの発言はもしかしてこういう意味だったのかな?』ということを随時(ワンテンポ遅れて)会話に反映させながら、「明言しない」「どちらとも取れる返し方をする」「情報が確定しやすくなる質問をこちらからする」ということで対応しています。

 

病院での問診など、正確な情報のやり取りが必要になる場合は、空気が悪くなろうとスムーズなやり取りではなかろうと、気付いた時点で相手に伝えるようにしています。(診察終了後に気付くなどその場の時間内に間に合わない場合もありますが、そのような時は仕方がないので、余程急ぎのことでなければ次回に伝えられるようメモしておきます。)

 

これが、私の「会話で起こりやすい困り事のパターン」その1です。次回は、「話しかけて良いタイミングがわからない」について書こうと思います。